昭和40年代の日本に邪馬台国ブームをもたらした宮崎康平と、盲目の彼の目となり杖となって支え続けた妻・和子の実話です。
邪馬台国とは、魏志倭人伝に記述された、古代日本の手がかりとされているもので、日本古代史最大の謎といわれており、現在も学会ではその所在地に関して「九州」「近畿」「四国」など諸説をめぐって論争が続いている。
福岡NHKラジオ局で番組司会者を務める和子が、島原鉄道の社長で郷土史家である
全盲の奇人・宮崎と出会い、観光バス事業を始めた宮崎に強引にバスガイド教師をさせ
られるところから物語が始まる。
やがて康平の妻となり「まぼろしの邪馬台国」を完成させ、第一回吉川英治文化賞受賞へと繋がっていく。
この映画を見て驚くのは宮崎康平という人物の奇人変人ぶり。
こんな人間が実在するとは思えないような突飛な言動行動に周りはふりまわされる。
その上全盲というハンディがあり、乳飲み子を抱えた二人の子持ちで、妻に逃げられ戸籍上は妻帯者、親から引き継いだ島原鉄道の社長も首になり収入がない。
どれをとっても、美人で知性派の和子が夫にしたい相手とは思えない。
しいて言うなら 変人である中にも憎めない人柄、あるいは郷土史家としての情熱に惹かれたか、はたまた不憫な子供への同情であったかもしれない。
いずれにしても男女の仲は摩訶不思議なものである。
夫婦喧嘩は犬も食わないと言うけれど、生卵をぶつけるシーンは圧巻で小気味良い。
3日も口を利かずに締め切った隣の部屋で和子が一心に取り組んでいたもの・・・。
それは後に九州行脚ををすることになる立体地図の制作でした。
奇人と言われた康平さんでしたが、伴侶を選ぶ目?は確かだったようです。
「目が見えないからこそ、見えるものがある」、正にそうだったのかもしれませんね。
テーマ曲「邪馬臺」は、さだまさしの製作で、さだまさしの父と宮崎が懇意であり、さだの「関白宣言」は幼少の頃に見た宮崎のイメージをモデルにしたと言われている。
もう一つの話題は、和子の幼少時代を演じた宮崎香蓮さんは和子さん、康平さんの実のお孫さんだそうです。
↓映画の予告編が動画で見られます。
まぼろしの邪馬台国
宮崎康平に関して詳しくはこちらから
宮崎和子さん(79歳)ご本人と康平さんらしき人が・・・ ←探してみてね。(^^♪
鑑賞券を頂いたので、夫と一緒に行ってきましたが、期待以上の内容でした。
二人とも涙と鼻水にまみれながら満足して帰ってきました。